ボラーニョ、エヴェレット、ゲイツキル

米国滞在中。来月帰る予定なので、日本語訳が出ていない本やらを買い置き用に漁っている。
ネットで本を見つけたい場合、おともだちのいない私は、好きな作家や好きな本を検索して、その商品ページにある「この本を買った人は、こんな本も買って/見ていますよ」というコーナーを見る。地味で時間がかかるけど外れが少ない。
今回はこのサイトでやってみた。2年前ぐらいまではアマゾンも使ったけど、今は全然駄目だ。
http://www.fantasticfiction.co.uk/



とりあえず本のリストを。


2666
The Savage Detectives  by Roberto Bolaño
I'm Not Sidney Poitier by Percival Everett
Reader's Block
The Last Novel by David Markson
Veronica by Mary Gaitskill

マークソンはWittgenstein's Mistressを読んだので前から知ってたけど。ウィキペディア日本版には3冊翻訳が出てると書いてあるけど、ググっても全然ひっかからないですな。定期刊行物にでも掲載されていたのだろうか。

ボラーニョとエヴェレットは、fantasticfictionのマークソンのページから見つけた。2666はどこかで風評を読んだような気がしたので調べると、60年代のラテンアメリカ文学ブームに中指を立てた若い世代を代表する作家、ということで、それは読まないとな、と即決した。3巻ボックスセットを11ドルでオーダー。
他にボラーニョの本では、文学運動の内輪話という、普通あんまり興味が湧かない題材のThe Savage Detectivesも絶賛されているので、買うかもしれない。白水社が「野生の探偵たち」というタイトルで翻訳出してるけど。訳者も良さそうだしそっちで読んでみるかなー。
http://www.hakusuisha.co.jp/exlibris/cat37/index.html

エヴェレットは、カリフォルニア在住の黒人作家。日本で本は出ていない。この間Why Did I Get Marriedを観て、黒人の会話劇って面白いなーーと思ったのもあり、ハーレム・ルネサンスとかは取りあえず飛ばして、同時代作家の、割と軽めな切り口から入って行くのもいいかと。というか、お堅いHarlem Renaissance Readerは速攻挫折したので、この切り口しか自分にはないという。。。アメリ黒人文学入門1/エヴェレット。気合いを入れて臨みたい。(入門0はフォークナー)
(ところで、黒人の会話芸がおもろすぎて、読むより聞くほうが頭に入ってくる、と身勝手に思っている。ラシャペル・ショー好き。)


ゲイツキルのVeronicaは先日図書館から借りて読了しているけど、一回読んでおしまい、とするには畏れ多い本なので買って帰ることに。古本安いしな、アメリカ。
フラナリー・オコナーを影響として挙げるゲイツキルだが、オコナーがドラッグで加速したような飛ばしっぷり。才能がありすぎて唖然。これが全米図書賞を逃したということは、アメリカではこういう本が毎年出版されているってこと?それはそれで、毎年置いてかれているということなので恐ろしい。
ゲイツキルがどこかのインタビューでpityというキーワードについて語っていて、それは確かオコナーのテーマでもあったような、と思い出す。一冊オコナーが自作について語った講演か何かが収録されている本があって、図書館で読んだことがあるが、あれともう一度照らし合わせてみたくなった。というか、あの本が欲しい。
それと、新しい本棚が欲しい。